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ソーラーカーポートのDR認定

ここでは、ソーラーカーポートの導入時に関係する「DR認定(飛び火認定)」について詳しく解説します。認定の意味や背景、取得によるメリット、注意点まで幅広くご紹介するので、特に防火地域や工業地帯に設置を検討している方はぜひ参考にしてください。DR認定を理解しておくことで、法的リスクを避け、安心して導入計画を進めることができます。

この記事はこんな方におすすめ

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目次

DR認定(飛び火認定)とは?

DR認定(飛び火認定)とは、火災が発生した際に火の粉が屋根材などに落下しても、燃え広がらない性能を確認するための国土交通大臣認定制度です。防火安全性能を第三者が証明する仕組みであり、建築基準法に基づき、認定を受けた材料は「不燃材料」として扱われます。

ソーラーカーポートに使用される太陽光パネルもこの認定を取得している場合、建築物の屋根材として安全性が担保された製品と見なされます。結果として、防火地域や工業地域といった制限の厳しいエリアでも設置が可能になります。

なお、認定の取得はメーカーごと、製品ごとに異なるため「同じメーカーのパネルでも一部は認定済み、一部は未取得」といったケースも少なくありません。導入時には必ずカタログや公式資料で確認しましょう。

DR認定を受けるメリット

1. 自治体により不燃材料として認められる

DR認定を取得したパネルは、各自治体において不燃材料として扱われます。防火地域や準防火地域では、建築物に使用できる材料に制限がありますが、認定を受けることで設置可能範囲が広がります。特に都市計画区域内の建物は規制が厳しいため、この認定があるかどうかが設置可否の重要な判断基準となります。

2. 試験に合格すればパネルとして正式に認められる

DR認定は、火災時の飛び火に対して燃え広がらないかを確認する「飛び火試験」に合格することで取得できます。これにより、単なる発電用の設備ではなく、建築基準法に適合した屋根材パネルとして公式に認められます。つまり、パネル自体が屋根材と同等に扱われ、建築確認申請や自治体の審査においても安心です。

3. 防火地域や工業地帯でも設置可能になる

防火地域や工業地域では、火災の延焼を防ぐため材料に高い基準が求められます。DR認定を取得していないパネルでは設置が難しい場合もありますが、認定済みの製品を使えば問題なく導入可能です。特に工場や倉庫など火気を扱う施設では、安全性能が確保されたソーラーカーポートであることが大きな安心材料になります。

DR認定の確認方法と取得の流れ

DR認定は国土交通省の基準に基づき、試験機関で性能評価を行い、大臣認定を受けることで取得できます。認定済みかどうかは、メーカーの公式発表や建材カタログ、国交省の認定リストで確認可能です。

施工主や施主は、導入前に必ずこの認定表記を確認することが推奨されます。

導入にあたっての注意点

DR認定を受けた製品を選んでも、設置方法や施工状況が不適切であれば防火性能を発揮できません。例えば、パネル下に可燃物が多く存在する場合や、換気スペースが確保されていない場合はリスクが高まります。また、自治体によっては追加の審査を求められることもあるため、事前相談が必須です。

さらに、認定の有効範囲は製品ごとに異なるため「特定の型番のみ認定済み」「一部サイズは未認定」といったケースも存在します。誤解を防ぐため、施工前に必ず製品仕様書を確認し、必要であればメーカーや自治体へ問い合わせを行いましょう。

事例:防火地域での活用シーン

都市部の商業施設や病院駐車場では、防火地域に指定されているケースが多くあります。こうしたエリアにソーラーカーポートを設置する際、DR認定を取得しているパネルを採用することで、建築確認がスムーズに進み、導入計画が遅れるリスクを防げます。

また、工業地帯においても、火気や高温設備が多い現場では安全性能の担保が必須です。DR認定済みパネルを利用することで、工場全体の安全基準を満たした発電設備として、CSRやESG経営の観点からも評価されやすくなります。

編集チームのまとめ
法的リスクを回避し、安全な導入を

ソーラーカーポートの導入において、DR認定(飛び火認定)の有無は、防火地域や工業地帯で設置可能かどうかを左右する重要な要素です。認定を受けているパネルは「不燃材料」として認められ、自治体の建築基準にも適合しやすくなります。さらに、投資リスクの低減や長期的な安心感にもつながります。

導入時には、製品カタログでの認定確認、施工方法の適正化、自治体への事前相談が欠かせません。こうした準備を行うことで、トラブルを回避し、安心・安全なソーラーカーポートの設置が可能となります。

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約100台以上の駐車場に
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環境省の優良事例
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カケフ住建
カケフ住建

引用元:カケフ住建(https://kakefujuken.jp/)

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  • 両支持(4本)
  • 片持ち(2本)
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(自由に選択可能)

公式HPを見る

電話で問い合わせる
(平日8:00~17:15)

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99台~11台程度の駐車場に
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柔軟性
個別設計にも対応
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  • 屋根の高さも指定が可能
  • 景観に配慮した配色にも対応
架台のタイプ
  • 両支持(4本)
  • 片持ち(2本)
  • T字型
パネル・モジュール

セット売り
(両面発電太陽電池モジュール)

公式HPを見る

電話で問い合わせる
(平日10:00~17:00)

小規模
10台~1台程度の駐車場に
おすすめは…

コスト
リーズナブルな
価格設定
が魅力
サンエイ工務店
サンエイ工務店

引用元:サンエイ工務店(https://solaenest.com/top/heriosport/)

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  • 1台から選択可能なバリュー型も
  • 勾配をつけるための土台が不要
架台のタイプ
  • 両支持(4本)
  • 片持ち(2本)
  • T字型
パネル・モジュール

施工店で取り扱いのある
パネル
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公式HPを見る

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■中規模・柔軟性=ネクストエナジー・アンド・リソース(11台以上の中規模施設の導入実績があり、公式HPに個別設計に対応している事例を掲載している唯一の会社のため)
■小規模・低コスト=サンエイ工務店(1台からの小規模施設に向けたバリュープランがあり、公式HPにある設置費用が一番安かったため)
(2023年10月5日調査時点)