産業用ソーラーカーポートの導入では、国の補助金を活用することで初期費用の負担を抑えられる可能性があります。2026年度(令和8年度)は、環境省の「民間企業等による再エネの導入及び地域共生加速化事業」のうち、「駐車場型太陽光発電設備導入事業」が実施されました。
本記事では、2026年度のソーラーカーポート向け補助金について、補助額、対象設備、申請要件、公募期間、採択結果、申請方法などを解説します。
※本記事は2026年8月20日時点の情報をもとに作成しています。2026年度の一次公募・二次公募はいずれも終了しています。今後の公募や制度変更については、一般社団法人 環境技術普及促進協会などの公式情報をご確認ください。
2026年度に実施された「駐車場型太陽光発電設備導入事業」は、駐車場を活用した自家消費型太陽光発電設備の導入を支援する補助事業です。
正式には、令和8年度「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(民間企業等による再エネの導入及び地域共生加速化事業)」の「設置場所の特性に応じた再エネ導入・価格低減促進事業」に含まれます。
ソーラーカーポートのほか、垂直型ソーラーやソーラーロード、一定の要件を満たす蓄電池や充放電設備、充電設備、EMSなども補助対象となります。
2026年度は一次公募が2026年4月24日~6月11日、二次公募が6月25日~7月16日に実施され、いずれも受付を終了しています。
参照元:一般社団法人 環境技術普及促進協会|駐車場型太陽光発電設備導入事業
2026年度の公募要領では、ソーラーカーポートを導入する事業について、主に以下の要件を満たすことが求められています。
(1)駐車場を活用して、ソーラーカーポート、垂直型ソーラー、ソーラーロードのいずれかの太陽光発電設備を導入すること。
(2)導入する太陽光発電設備による発電量の50%以上を、導入場所の敷地内で自家消費すること。
(3)ソーラーカーポートまたは垂直型ソーラーについて、パワーコンディショナ(PCS)の最大定格出力の合計が10kW以上であること。また、積載率が1以上であること。
※積載率=太陽光発電モジュール容量(kW)÷パワーコンディショナの最大定格出力合計(kW)
(4)停電時にも電力を供給できるシステム構成であること。
(5)本事業によって得られる環境価値のうち、需要家へ供給した電力量に紐づく環境価値を需要家へ帰属させること。
(6)固定価格買取制度(FIT)の認定またはFIP制度の認定を取得しないこと。
(7)電気事業法に定める自己託送を行わないこと。
(8)IP通信機能を有する機器のうち、JC-STARの取得対象となる機器については、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」において、★1以上の適合ラベルを取得した製品を使用すること。
特に2026年度の二次公募からは、対象となるIP通信機器についてJC-STAR★1以上の適合ラベル取得製品を使用することが必須要件となりました。
参照元:一般社団法人 環境技術普及促進協会|令和8年度 公募要領(PDF)
2026年度の補助対象設備には、主に以下の設備が含まれます。
ソーラーカーポート
太陽光発電モジュール、架台、カーポート、パワーコンディショナなどが対象です。オンサイトPPAやリースによって導入する場合は、太陽光発電モジュールと架台などを同一の事業者が一体的に導入する必要があります。
太陽光発電設備の受変電設備
ソーラーカーポートで発電した電力を施設内で利用するために必要となる受変電設備も、一定の条件のもと補助対象となります。
定置用蓄電池
本事業で導入する太陽光発電設備による余剰電力を活用し、平時に繰り返し充放電する設備が対象です。保安・防災のみを目的とした蓄電池は補助対象外です。
車載型蓄電池
外部給電が可能な電気自動車・プラグインハイブリッド自動車で、最新のCEV補助金における補助対象車両が対象です。
充放電設備(V2H)・充電設備
ソーラーカーポート等で発電した電力を、駐車場を利用する電気自動車へ供給する設備などが対象です。対象となる機器については、CEV補助金の対象設備一覧等に掲載されていることが条件となります。
エネルギーマネジメントシステム(EMS)
太陽光発電や蓄電池などのエネルギーを効率的に管理・制御するシステムも補助対象に含まれます。
2026年度は、ソーラーカーポートについて従来の「補助対象経費の3分の1」という方式ではなく、PCSの定格出力を基準とした定額方式が採用されています。
| 対象設備 | 2026年度の基準額 |
|---|---|
| ソーラーカーポート・垂直型ソーラー | 8万円/kW × パワーコンディショナの定格出力合計値(kW) |
| ソーラーロード | 補助率1/2 ※1,000円未満切り捨て |
| 定置用蓄電池 (業務・産業用) |
目標価格未満:補助対象経費×1/3 目標価格超:3.9万円/kWh×蓄電池容量 |
| 定置用蓄電池 (家庭用) |
目標価格未満:補助対象経費×1/3 目標価格超:3.8万円/kWh×蓄電池容量 |
| 車載型蓄電池 | 2万円/kWh×蓄電容量 ※最新のCEV補助金における銘柄ごとの補助金交付額が上限 |
本事業全体の補助金交付額の上限は1億円です。実際の交付額は、公募要領に定められた算定方法や補助対象経費に基づいて決定されます。
例えばPCSの定格出力合計が100kWのソーラーカーポートであれば、基準額は「8万円×100kW=800万円」となります。ただし、必ず800万円が交付されるという意味ではなく、補助対象経費や公募要領の算定方法に基づいて最終的な交付額が決まります。
参照元:一般社団法人 環境技術普及促進協会|令和8年度 公募要領(PDF)
V2Hなどの充放電設備や充電設備については、設置する施設や設備の種類に応じて補助率・上限額が異なります。
| 対象設備 | 補助内容 |
|---|---|
| 充放電設備 (公共施設・災害拠点) |
機器費:補助率1/2 設置工事費:定額・上限95万円/基 |
| 充放電設備 (上記以外の施設等) |
機器費:補助率1/3 設置工事費:定額・上限15万円/基 |
| 充電設備 | 機器費:補助率1/2 設置工事費:最新のCEV補助金で定められた上限額まで |
※対象機器や補助上限額はCEV補助金の対象設備一覧等によって異なります。申請時点の最新情報をご確認ください。
本補助事業に申請できるのは、事業を確実に遂行できる経営基盤を有し、継続性が認められる以下の法人等です。代表事業者が直近の決算で債務超過となっている場合は、原則として対象外となります。
(1)民間企業
(2)独立行政法人
(3)対象となる業務を行う地方独立行政法人
(4)国立大学法人、公立大学法人、学校法人
(5)社会福祉法人
(6)医療法人
(7)特別法の規定に基づき設立された協同組合等
(8)一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人
(9)その他、環境大臣の承認を得て協会が適当と認める者
地方公共団体については、地方公共団体自身が補助対象設備を取得せず、補助金の交付を受けない場合には、共同事業者として参加できる場合があります。
※申請主体・共同事業者については条件があります。詳細は公募要領をご確認ください。
応募された事業は、実施計画書などをもとに書面審査や必要に応じたWebヒアリングが行われ、総合的に評価されます。
2026年度の主な評価項目は以下のとおりです。
ア.事業の内容やスキームなどが事業目的に合致し、実現可能な計画であること。
イ.事業の実施に必要な能力・実施体制・経理的基盤、または確実な資金調達計画を有していること。
ウ.直接的なCO2削減の費用対効果が高いこと。
エ.事業によるCO2削減率が高いこと。
オ.再生可能エネルギーの自家消費比率が大きいこと。
カ.蓄電池、充電設備、充放電設備などを備え、平時だけでなく災害時などにも活用できる「フェーズフリー」な利用が可能であること。
キ.RE100・再エネ100宣言 RE Actionへの参加、SBT認定、TCFD関連の情報開示、温室効果ガス削減目標の設定、デコ活宣言、エコ・ファースト認定など、脱炭素に関する取り組みを行っていること。
また、ソーラーカーポート・垂直型ソーラーについてはCO2削減の費用効率性にも上限が設定されています。
| 地域区分 | 費用効率性の上限 |
|---|---|
| 一般地域 | 57,000円/tCO2 |
| 強風地域 (基準風速40m/s以上) |
70,000円/tCO2 |
| 多雪地域 (垂直積雪量100cm以上) |
70,000円/tCO2 |
応募要件を満たしていても必ず採択されるわけではなく、提案内容や予算の状況によって、補助額の減額や不採択となる場合があります。
| 公募 | 期間 | 状況 |
|---|---|---|
| 一次公募 | 令和8年4月24日(金)~6月11日(木)正午 | 終了 |
| 二次公募 | 令和8年6月25日(木)~7月16日(木)正午 | 終了 |
2026年度の一次公募・二次公募はいずれも終了しています。今後、新たな公募や追加募集が行われる場合は、一般社団法人 環境技術普及促進協会の公式サイトで公表されるため、最新情報を確認してください。
また、GビズIDの取得には時間がかかる場合があるため、次回以降の公募を検討する場合は、早い段階から準備を進めておくとよいでしょう。
2026年8月3日、一般社団法人 環境技術普及促進協会から一次公募の採択結果が公表されました。
令和7年度補正予算分では、工場やゴルフ場、社会福祉施設など、全国各地の35事業が採択されています。
| 事業実施団体名 | 事業実施場所 |
|---|---|
| 株式会社関電エネルギーソリューション | 岩手県滝沢市 |
| 三菱マテリアル株式会社 | 茨城県常総市 |
| 株式会社リバティーフーズ | 茨城県常総市 |
| 横関油脂工業株式会社 | 茨城県北茨城市 |
| 東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社 | 茨城県つくば市 |
| 東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社 | 茨城県稲敷市 |
| 株式会社関電エネルギーソリューション | 栃木県さくら市 |
| 株式会社関電エネルギーソリューション | 栃木県さくら市 |
| 益子ゴルフプロパティーズ株式会社 | 栃木県芳賀郡益子町 |
| 株式会社みらいエナジー・パートナーズ | 埼玉県本庄市 |
| 株式会社関電エネルギソリューション | 埼玉県北葛飾郡松伏町 |
| 株式会社東急パワーサプライ | 千葉県千葉市 |
| 木更津東カントリークラブ株式会社 | 千葉県君津市 |
| みずほ東芝リース株式会社 | 神奈川県厚木市 |
| JA三井リース九州株式会社 | 長野県小諸市 |
| 日本特殊陶業株式会社 | 岐阜県可児市 |
| 静岡ガス株式会社 | 静岡県静岡市 |
| 株式会社シーエナジー | 静岡県磐田市 |
| デルタ電子株式会社 | 愛知県日進市 |
| 三菱HCキャピタル株式会社 | 三重県伊賀市 |
| ダイハツインフィニアース株式会社 | 滋賀県守山市 |
| 池田泉州リース株式会社 | 大阪府堺市 |
| 株式会社関電エネルギーソリューション | 大阪府高石市 |
| 三井住友ファイナンス&リース株式会社 | 兵庫県神戸市 |
| 株式会社三木よかわカントリー | 兵庫県三木市 |
| 紀州ファスナー工業株式会社 | 和歌山県御坊市 |
| 株式会社中電工 | 岡山県岡山市 |
| 株式会社エネルギア・ソリューション・アンド・サービス | 広島県広島市 |
| 株式会社ヒロテック | 山口県光市 |
| 三井住友トラスト・パナソニックファイナンス株式会社 | 徳島県板野郡松茂町 |
| 社会福祉法人 真理亜福祉会 | 香川県丸亀市 |
| 株式会社キューコーリース | 福岡県中間市 |
| シブヤ商事株式会社 | 長崎県島原市 |
| 東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社 | 熊本県玉名郡南関町 |
| 三菱電機フィナンシャルソリューションズ株式会社 | 大分県別府市 |
採択結果を見ると、製造業だけでなく、ゴルフ場や社会福祉法人、エネルギー事業者、リース会社など、幅広い事業者による導入が進められていることがわかります。
参照元:一般社団法人 環境技術普及促進協会|駐車場型太陽光発電設備導入事業
申請を検討する際は、必ず公募要領やQ&A、交付規程等の最新版を確認してください。
・2026年度 駐車場型太陽光発電設備導入事業 公募情報
・事業概要(PDF)
・公募要領(PDF)
・Q&A集(PDF)
・交付規程(PDF)
・実施要領(PDF)
※Q&A集や申請様式等は更新される場合があります。実際に申請する際は公式公募ページから最新版を確認してください。
2026年度の公募では、原則としてjGrants(Jグランツ)による電子申請が採用されています。電子メールでの応募書類の提出は受け付けられていません。
jGrantsから申請するには、GビズIDプライムアカウント、または所定の設定を行ったGビズIDメンバーアカウントが必要です。GビズIDエントリーアカウントでは申請できません。
主な提出書類には、以下があります。
・提出書類チェックリスト
・A-1 応募申請書・実施計画書・経費内訳等
・B-8 運用説明資料
・B-10 CO2削減効果の算定根拠
・B-12 IoT製品のセキュリティ対策に関する根拠資料
・設備の配置図、仕様書、耐風・耐雪・耐震計算書
・見積書、法人登記関係書類、財務関係書類など
申請時には、ソーラーカーポートや太陽光発電設備の仕様だけでなく、発電電力の自家消費量、停電時の運用方法、CO2削減効果、設備の耐風・耐雪性能などを示す資料も必要となります。
なお、GビズIDの取得には時間がかかる場合があるため、公募開始後に準備を始めるのではなく、導入計画の初期段階から準備しておくことが重要です。
補助金の利用を前提にソーラーカーポートを導入する場合、設備選定だけでなく、契約・工事を開始するタイミングにも注意が必要です。
交付決定前に発注した経費は、原則として補助対象になりません。補助金の採択通知を受けただけでは事業を開始できないため、交付決定のタイミングを確認したうえで契約・発注を進める必要があります。
また、補助対象外となる経費もあります。2026年度の公募要領では、代表例として以下が挙げられています。
・事業用地の確保に必要な費用
・駐車場そのものの整備費
・既存設備の撤去費・処分費
・残土処分費
・補助対象設備以外のオプション品
・建築確認申請費用
・系統連系申請費用
・消防署への申請費用
・補助金の応募・申請手続きにかかる費用など
ソーラーカーポートは建築確認申請が必要となるケースもあるため、補助対象となる費用と、導入に必要であっても補助対象外となる費用を分けて資金計画を立てることが大切です。
2026年度の補助事業期間は単年度で、交付決定日から2027年1月31日までに事業を完了することとされています。施工期間や建築確認、系統連系などに必要な期間も考慮して計画しましょう。
補助金の詳細や申請要件については、本サイトでは個別判断ができないため、一般社団法人 環境技術普及促進協会へ直接お問い合わせください。
2026年度の公募では電話による質問は受け付けておらず、協会公式サイトのお問い合わせフォーム等を利用するよう案内されています。
お問い合わせ先
一般社団法人 環境技術普及促進協会
業務部 業務第1グループ
公募要領記載のメールアドレス
den_shin@eta.or.jp
メール件名記入例
(問合せ)【団体名】カーポート事業について
※最新のお問い合わせ方法については、公式公募ページをご確認ください。
再生可能エネルギー発電設備には固定資産税の課税標準に関する特例措置がありますが、2026年度以降、一般的なソーラーカーポートに設置されるすべての太陽光発電設備が一律に対象となる制度ではありません。
2026年4月1日から2029年3月31日までの特例措置では、太陽光発電設備についてペロブスカイト太陽電池など一定の要件を満たす設備が対象とされています。
設備の種類や取得時期、要件、自治体による「わがまち特例」の設定などによって適用内容が異なるため、固定資産税の軽減を検討する場合は、資源エネルギー庁や設備所在地の自治体へ最新の適用条件を確認してください。
・資源エネルギー庁|再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置(固定資産税)(PDF)
産業用ソーラーカーポートの補助金を活用するには、自家消費率やPCS出力、停電時の電力供給、設備のセキュリティ要件など、複数の条件を満たす必要があります。
さらに、ソーラーカーポートは設置する駐車場の規模や地域の風・雪の条件、建築確認への対応、施工方法などによって適した製品・メーカーが異なります。
次回以降の補助金活用を検討する場合も、公募が始まってから製品を探すのではなく、早い段階から発電容量や自家消費量を試算し、補助金申請や建築確認まで含めて相談できるメーカー・施工会社を選定しておくとスムーズです。
ここでは、企業向けに産業用ソーラーカーポートを提供しているメーカー20社の中から、公式HPに事例を掲載している業者を絞り込み、大規模・中規模・小規模という施設の規模に加え、信頼性・柔軟性・低コストと3つの要望別におすすめのメーカーを紹介します。
引用元:カケフ住建(https://kakefujuken.jp/)
別売り
(自由に選択可能)
引用元:ネクストエナジー・アンド・リソース(https://pd.nextenergy.jp/)
セット売り
(両面発電太陽電池モジュール)
【選定条件】
「産業用 ソーラーカーポートメーカー」とGoogle検索して上位表示される企業のうち、
公式HPやカタログに企業向け、産業用といった記載のあるソーラーカーポートを提供している会社をピックアップ。そのなかで、公式HPで確認できる情報を基に以下の要望別で各社を選定しました。
■大規模・信頼性=カケフ住建(100台以上の大規模施設の導入実績があり、環境省優良事例に掲載され建築申請代行が可能な唯一の会社のため)
■中規模・柔軟性=ネクストエナジー・アンド・リソース(11台以上の中規模施設の導入実績があり、公式HPに個別設計に対応している事例を掲載している唯一の会社のため)
■小規模・低コスト=サンエイ工務店(1台からの小規模施設に向けたバリュープランがあり、公式HPにある設置費用が一番安かったため)
(2023年10月5日調査時点)