駐車場に設置できるソーラーカーポートは、土地を有効活用できると注目を集めています。ここでは、工場の駐車場にソーラーカーポートを設置するメリットと、実際の導入事例をご紹介します。工場への導入をお考えの方は、ぜひチェックしてみてください。
工場にソーラーカーポートを設置することで得られるメリットは、主に以下の7点です。
工場では従業員のために広い駐車スペースを確保しているケースが多いでしょう。ソーラーカーポートのメリットは、すでにある駐車場を有効活用できる点にあります。発電した電気を施設で消費すれば電気代の削減につながるうえ、場合によっては売電収入も得られます。建物の耐久性に不安があり、屋根にソーラーパネルを設置できなかった工場でも導入することが可能。
また、設置することで、従業員が雨の日や雪の日に濡れずに通勤できるようになります。EV充電器と連携して充電できるようにしておけば、従業員の満足度向上も期待できるでしょう。
災害時には、非常用電源として使用することも可能。蓄電池との併用で、夜間でも電気を使用できるようになります。
花王グループは、世界各地の拠点で太陽光発電設備を導入し、CO2削減を目指しています。東京ドーム11個分の敷地面積があり、約2,000人の従業員が働く花王和歌山工場には、カーポート一体型太陽光発電設備を導入。設置した太陽光パネルは駐車場は146台分で、両面パネルを採用し、効率的な発電を目指しています。
太陽光パネルの出力は576kW、パワーコンディショナー(PCS)出力は500kW、年間CO2削減効果は409tを見込んでいます。
参照元:環境省「ソーラーカーポートの導入事例集」(PDF)(https://www.env.go.jp/content/000171774.pdf)
積水化学では、滋賀県にある多賀工場の従業員用駐車場に248台分のソーラーカーポートを導入しました。年間発電量は718MWh、CO2削減効果は 415.6t-CO2/年、CO2削減コストは19,819円/t-CO2です。積雪が多い地域のため、耐荷重や駐車場としての機能を考慮して設計。
導入後は、工場全体の再エネ比率が0%から7%に向上したと共に、夏場の社内の高温化防止や車への積雪を避けることができました。同社では再エネ利用発電設備の積極的な導入を進めており、2030年までの再エネ比率100%を目指しています。
参照元:環境省「ソーラーカーポート等の新たな自家消費型太陽光等の導入支援事業 に関する優良事例」(PDF)(https://www.env.go.jp/earth/jireiー.pdf)
工場にソーラーカーポートを導入することで、駐車場の上空間を有効活用しながら、電気代やCO2排出量の削減、従業員の利便性の向上といったメリットを得ることができます。近年は、大工場を中心にソーラーカーポートを導入する事例が増えています。
下記のページでは様々なソーラーカーポートの架台を調査し、種類・施工方法などをまとめつつ、おすすめの架台を紹介しています。
「施工のしやすさ」などで見る
ソーラーカーポート架台のおすすめ3選
ここでは、企業向けに産業用ソーラーカーポートを提供しているメーカー20社の中から、公式HPに事例を掲載している業者を絞り込み、大規模・中規模・小規模という施設の規模に加え、信頼性・柔軟性・低コストと3つの要望別におすすめのメーカーを紹介します。
引用元:カケフ住建(https://kakefujuken.jp/)
別売り
(自由に選択可能)
引用元:ネクストエナジー・アンド・リソース(https://pd.nextenergy.jp/)
セット売り
(両面発電太陽電池モジュール)
【選定条件】
「産業用 ソーラーカーポートメーカー」とGoogle検索して上位表示される企業のうち、
公式HPやカタログに企業向け、産業用といった記載のあるソーラーカーポートを提供している会社をピックアップ。そのなかで、公式HPで確認できる情報を基に以下の要望別で各社を選定しました。
■大規模・信頼性=カケフ住建(100台以上の大規模施設の導入実績があり、環境省優良事例に掲載され建築申請代行が可能な唯一の会社のため)
■中規模・柔軟性=ネクストエナジー・アンド・リソース(11台以上の中規模施設の導入実績があり、公式HPに個別設計に対応している事例を掲載している唯一の会社のため)
■小規模・低コスト=サンエイ工務店(1台からの小規模施設に向けたバリュープランがあり、公式HPにある設置費用が一番安かったため)
(2023年10月5日調査時点)