工場や商業施設などの駐車場にソーラーカーポートを設置する際、駐車のしやすさを重視する場合に候補となるのが「一本足ソーラーカーポート」です。駐車スペース付近の支柱を少なくできるため、車の出し入れやドアの開閉がしやすく、既存の駐車場を活用しやすいという特徴があります。
一方で、一本足であればどの製品でも同じというわけではありません。支柱や梁の構造、基礎工事、耐風・耐雪性能などは製品によって異なるため、設置場所の条件まで踏まえて選ぶことが重要です。
ここでは、一本足ソーラーカーポートの特徴やメリット・デメリット、一般的な片持ち・両支持タイプとの違い、導入時に確認したいポイントを解説します。
一本足ソーラーカーポートとは、一般的に屋根を支える主な支柱を1本に集約した構造のソーラーカーポートを指します。駐車スペースの前後や左右に複数の柱を設けるタイプと比べ、車の周囲にある柱を減らせることが特徴です。
ただし、「一本足」は統一された製品規格の名称ではありません。中央の柱から左右に屋根を支えるY字型、片側の支柱から屋根を支える構造など、メーカーによって形状や支柱の数え方が異なります。
そのため、一本足ソーラーカーポートを比較する際は、単純に「柱が1本かどうか」だけではなく、どこに柱が配置されるのか、斜材はあるのか、どの範囲を屋根で覆えるのかまで確認しましょう。
ソーラーカーポートにはさまざまな構造があります。「一本足」は主に支柱の配置や本数を示す表現である一方、「片持ち」「両支持」は屋根をどのように支えるかを示す表現です。そのため、一本足と片持ちが必ず対になるわけではありません。
| タイプ | 主な特徴 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 一本足タイプ | 主な支柱を1本に集約した構造。Y字型など複数の形状がある | 柱・斜材の位置、基礎、耐風・耐雪性能 |
| 片持ちタイプ | 片側から屋根を支えるため、反対側に前柱がない | 駐車時の動線、柱の本数、屋根の張り出し |
| 両支持タイプ | 屋根を両側から支える構造 | 柱と駐車マス、ドアとの位置関係 |
「駐車しやすいものを選びたい」という場合は、名称だけで判断するのではなく、実際の柱位置や駐車マスとの関係を図面などで確認することが大切です。
一本足ソーラーカーポートの大きなメリットは、車の周囲に配置される柱を少なくできることです。
一般的なカーポートでは、駐車スペースの前方や側面に柱が設けられる場合があります。利用者が毎日同じ場所に駐車する社員駐車場であれば慣れることもできますが、不特定多数の人が利用する商業施設や病院、ゴルフ場などでは、柱の位置によって駐車しにくさを感じることがあります。
一本足タイプで視界を遮る柱や斜材を減らせれば、バック駐車時にも周囲を確認しやすくなり、車と柱との接触リスクを抑えやすくなります。
柱の位置によっては、駐車できても「ドアを開けると柱に当たりそう」「荷物を積み降ろししにくい」といった問題が生じます。
一本足タイプは車の側面付近に柱を配置しない設計にできる製品もあり、ドアの開閉や乗り降りのスペースを確保しやすい点がメリットです。
商業施設や病院など、不特定多数の利用者が出入りする駐車場はもちろん、大きな荷物を積み降ろす機会がある施設でも検討しやすいでしょう。
産業用ソーラーカーポートでは、すでに運用している駐車場へ後から設置するケースもあります。この場合、既存の白線や車路との位置関係を考えながら柱を配置しなければなりません。
柱を集約できる構造であれば、既存の駐車マスとの干渉を抑えながら設計できる可能性があります。現在の駐車台数や動線をできるだけ変えずに太陽光発電設備を導入したい企業にとって、一本足タイプを検討するメリットのひとつです。
駐車場では、車だけでなく歩行者や自転車などさまざまな利用者が行き交います。柱や斜材が少ない構造であれば視界を確保しやすく、周囲の状況を確認しやすくなります。
ただし、一本足タイプでも斜材などが設けられている製品はあります。見通しの良さを重視する場合は、支柱の本数だけでなく架台全体の構造を確認してください。
柱の数を少なくする場合、屋根や太陽光パネルにかかる荷重を限られた支柱と基礎で支える必要があります。そのため、一本足という構造だけを見て安全性を判断することはできません。
柱や梁の大きさ、使用する材料、基礎の形状などを含め、設置条件に応じた構造設計が重要です。
「一本足だから弱い」「柱が多いから強い」という単純な比較ではなく、製品ごとの設計条件や構造計算を確認するようにしましょう。
ソーラーカーポートの屋根は風を受ける面積が大きいため、設置地域に応じた風への対策が必要です。また、積雪地域では屋根や太陽光パネルに雪の重量が加わります。
一本足タイプを検討する場合も、メーカーが示す耐風・耐雪性能だけを見るのではなく、実際の建設地の条件に対応できる設計か確認してください。
積雪地域でのソーラーカーポート選びについては、下記の記事でも詳しく解説しています。
柱の本数が少なければ使用する部材を減らせるように見えますが、一本足タイプだから必ず低コストになるとは限りません。
構造を成立させるために柱や基礎を大きくする必要がある場合や、設置場所に合わせた個別設計が必要になる場合もあります。また、基礎工事や建築確認申請、太陽光パネル、電気工事なども含めて導入費用を考える必要があります。
一本足という構造だけで価格を比較せず、架台・基礎・施工まで含めた総額で確認しましょう。
一本足タイプは駐車のしやすさにメリットがありますが、すべての駐車場に一本足が適しているとは限りません。
駐車マスの配置や車路、地盤、積雪量、風の条件、設置できる基礎の範囲などによっては、片持ちタイプや両支持タイプの方が適している場合もあります。
最初から構造を一本足に限定するのではなく、「なぜ一本足にしたいのか」を整理したうえで、その目的を満たせる構造を比較することが重要です。
工場や事業所では、数十台から数百台規模の社員駐車場を備えているケースがあります。既存駐車場を活用して自家消費型太陽光発電を導入する場合、発電量だけでなく、毎日の駐車や乗り降りのしやすさも重要です。
柱を少なくした構造であれば、既存の駐車動線への影響を抑えながら設置できる可能性があります。
商業施設では、幅広い年齢層やさまざまな大きさの車が駐車場を利用します。初めて訪れる利用者も多いため、柱が駐車の妨げになりにくい構造は利便性の向上につながります。
ソーラーカーポートによる発電だけでなく、雨よけや日よけとして駐車環境を改善できることもメリットです。
病院や福祉施設では、利用者の乗り降りや荷物の出し入れに十分なスペースが必要になることがあります。柱の位置がドアの開閉を妨げにくい構造を選ぶことで、駐車場の使いやすさを高めることができます。
ゴルフ場などでは、ゴルフバッグをはじめ大きな荷物を車から出し入れする機会があります。駐車スペース横の柱を減らせる構造であれば、利用者が荷物を扱いやすくなります。
広い駐車場を発電スペースとして活用できるため、施設で消費する電力の一部を再生可能エネルギーで賄う施策としても検討できます。
一本足ソーラーカーポートを選ぶ際、まず確認したいのが実際の柱の位置です。
一本足と表記されていても、柱が駐車マスのどこに位置するかによって使い勝手は変わります。車止めや白線、隣の車との位置関係も含め、実際に車を駐車した状態を想定して確認しましょう。
また、斜材などが車やドアと干渉しないかも重要なチェックポイントです。
設置予定地域の基準風速や積雪条件に対応できるか確認しましょう。カタログなどに記載されている数値だけで判断せず、実際の建設地で設置可能かメーカーや設計者に確認する必要があります。
一本足ソーラーカーポートでは、柱だけでなく、それを支える基礎も重要です。
基礎の大きさや施工方法によって、工期や施工費、既存駐車場への影響が変わります。営業中の商業施設や稼働中の工場などでは、何台分の駐車場をどの程度の期間使用できなくなるのかも確認しておきたいポイントです。
産業用施設では、敷地によって駐車マスの大きさや配置が異なります。また、採用する太陽光パネルによって寸法や重量も変わります。
そのため、既製品の寸法だけではなく、既存の白線や使用予定のパネルに合わせた設計が可能か確認するとよいでしょう。
ソーラーカーポートは、条件によって建築確認申請が必要になります。設計した架台を設置できるかだけでなく、建築基準法や消防、景観などの条件まで確認する必要があります。
メーカーを選ぶ際は、構造設計だけでなく、建築確認申請について相談・対応できるかも比較しておきましょう。
一本足ソーラーカーポートを検討している方の中には、単に「柱を1本にしたい」のではなく、「駐車の邪魔になる柱を減らしたい」「ドアを開閉しやすくしたい」「既存の駐車場をできるだけそのまま活用したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
そうした場合に選択肢のひとつとなるのが、産業用ソーラーカーポート「Santi」シリーズを展開するカケフ住建です。
カケフ住建は、スチール加工で培った技術を活かしてソーラーカーポートの架台を設計・生産しています。既存の駐車場の白線や使用する太陽光パネルに合わせた設計にも対応しており、駐車のしやすさと建設地の条件を踏まえて架台を検討できることが特徴です。

引用元:カケフ住建HP
(https://kakefujuken.jp/)
カケフ住建では、2025年4月にY字1本足タイプの産業用太陽光カーポートを発売したと、再生可能エネルギー専門メディア「PVeye」が報じています。
Y字型の支柱で屋根を支える構造となっており、背合わせで駐車するレイアウトに対応。4台から最大12台分までの駐車を想定した製品で、利用者の駐車や乗り降りのしやすさを考慮して開発されています。
また、同記事ではスチール製の柱と基礎部分を大きくすることで、耐風圧性能38m/s、耐雪性能50cm相当としていることも紹介されています。
※2025年5月号掲載情報。製品の現在の販売状況、仕様、設置可能地域などについてはカケフ住建へ直接お問い合わせください。
参照元:再生可能エネルギー専門メディア PVeye「産業用太陽光カーポート発売」
カケフ住建では、一本足だけでなく、片持ちタイプの「Santi」や、背合わせ駐車向けの「Santi-W」なども展開しています。
Santiは前側に柱がない片持ち構造を採用しており、駐車やドアの開閉がしやすいことが特徴です。実際にゴルフ場などの大規模駐車場にも導入されています。
さらに「Santi-W」は、従来のSantiを背合わせに設置した場合と比較して柱の本数を削減したタイプです。カケフ住建では、駐車のしやすさを維持しながら柱を減らすことで、材料費だけでなく施工費の削減も見込める製品として紹介しています。
つまり、「一本足にすること」そのものを目的にするのではなく、駐車しやすさ・必要な強度・施工費・設置条件を踏まえ、一本足や片持ち、背合わせタイプから適した構造を相談できる点がカケフ住建の特徴です。
既存の駐車場にソーラーカーポートを導入する場合、「現在の白線を変更したくない」「決まった太陽光パネルを使用したい」といった条件が生じることがあります。
カケフ住建では、既存駐車場の白線や各種太陽光パネルメーカーに合わせた自由設計に対応。設計から生産まで対応しているため、敷地や使用するパネルなどの条件を踏まえた架台を相談できます。
参照元:カケフ住建「【商品説明】ソーラーカーポート"Santi"」(カケフ住建公式サイト)
カケフ住建の「Santi」は国内で設計されており、建築基準法だけでなく、消防や景観などを確認しながら対応することも可能としています。
さらに、カケフ住建一級建築士事務所による建築確認申請の代行にも対応しています。一本足を含め、ソーラーカーポートでは架台そのものだけでなく、建設地の条件に合わせた構造設計や法規への対応も重要になるため、計画段階から相談できることはメリットでしょう。
なお、カケフ住建はソーラーカーポートの架台メーカーです。組み立て工事や電気工事まで必要な場合は、協力業者の紹介に対応しています。
一本足ソーラーカーポートを検討しているものの、「本当に一本足が自社の駐車場に適しているのか分からない」「駐車しやすさを維持しながら費用も抑えたい」という場合は、設置場所や駐車台数などを伝えたうえで相談してみてください。
一本足ソーラーカーポートは駐車のしやすさにメリットがありますが、構造だけで製品を決める必要はありません。
以下のように、導入目的から適した構造を考えると選びやすくなります。
重要なのは、「一本足かどうか」ではなく、「なぜ一本足を検討しているのか」です。駐車しやすさ、コスト、施工性、耐風・耐雪性能など、優先したい条件を整理したうえで比較しましょう。
強度は支柱の本数だけでは判断できません。柱や梁のサイズ、材質、基礎、屋根の大きさなどによって必要な構造は変わります。
また、設置地域の風や積雪、地盤などの条件も考慮する必要があります。一本足タイプを導入する場合は、建設地に合わせた構造設計・構造計算が行われているか確認してください。
製品や設置条件によって異なるため、一概には言えません。
柱の本数が少なくても、それを支える柱や基礎を大きくする必要があれば、必ずしも低価格になるとは限りません。架台本体だけでなく、基礎工事や建築確認申請、太陽光設備、施工費などを含めて比較しましょう。
既存駐車場に設置できる製品もあります。ただし、白線の位置や車路、地盤、埋設物、駐車台数などによって設計条件が異なります。
既存の駐車マスを変更したくない場合は、白線の位置に合わせた設計が可能なメーカーへ相談するとよいでしょう。
製品の耐雪性能と設置地域の積雪条件によって異なります。一本足であることだけでは設置可否を判断できないため、製品ごとの対応積雪量や構造設計を確認してください。
建築確認申請の要否は「一本足かどうか」だけで決まるものではありません。建設地や規模、用途などの条件によって判断されます。
導入を検討する際は、自治体や確認検査機関、設計者などに確認したうえで計画を進めましょう。
一本足ソーラーカーポートは、駐車スペース周辺の柱を減らすことで、駐車やドアの開閉をしやすくできることが大きなメリットです。既存駐車場への導入や、不特定多数の利用者が出入りする商業施設・病院などでも検討しやすい構造といえます。
一方で、一本足であればすべて同じ性能になるわけではありません。柱や梁、基礎の設計、耐風・耐雪性能、建築確認への対応などを含めて比較する必要があります。
また、「駐車しやすいソーラーカーポートにしたい」という目的であれば、一本足だけでなく前柱のない片持ちタイプなども候補になります。一本足という構造を目的にするのではなく、駐車のしやすさ・安全性・施工性・コストなどから、自社の駐車場に合った製品を選びましょう。
ここでは、企業向けに産業用ソーラーカーポートを提供しているメーカー20社の中から、公式HPに事例を掲載している業者を絞り込み、大規模・中規模・小規模という施設の規模に加え、信頼性・柔軟性・低コストと3つの要望別におすすめのメーカーを紹介します。
引用元:カケフ住建(https://kakefujuken.jp/)
別売り
(自由に選択可能)
引用元:ネクストエナジー・アンド・リソース(https://pd.nextenergy.jp/)
セット売り
(両面発電太陽電池モジュール)
【選定条件】
「産業用 ソーラーカーポートメーカー」とGoogle検索して上位表示される企業のうち、
公式HPやカタログに企業向け、産業用といった記載のあるソーラーカーポートを提供している会社をピックアップ。そのなかで、公式HPで確認できる情報を基に以下の要望別で各社を選定しました。
■大規模・信頼性=カケフ住建(100台以上の大規模施設の導入実績があり、環境省優良事例に掲載され建築申請代行が可能な唯一の会社のため)
■中規模・柔軟性=ネクストエナジー・アンド・リソース(11台以上の中規模施設の導入実績があり、公式HPに個別設計に対応している事例を掲載している唯一の会社のため)
■小規模・低コスト=サンエイ工務店(1台からの小規模施設に向けたバリュープランがあり、公式HPにある設置費用が一番安かったため)
(2023年10月5日調査時点)